不妊症スクリーング検査:妊活しているが、妊娠しない場合、まず不妊の原因がないかどうか検査する必要があります。 検査項目と検査内容のアニメーションです。
検査は、月経の時期によりできる検査が決まっています。
超音波検査や尿中LH検査を行い、排卵時期を推定し、性交する時期を指導します。 超音波検査では卵胞の大きさと、子宮内膜の厚さを測定します。 卵胞径は20mm 程度、内膜の厚さは10mm 程度あれば、排卵時期です。 尿中LH検査ではLHが陽性になると、およそ24時間から36時間後が排卵になると判断します。
単一卵胞発育を目指しますが、14mm以上の卵胞が4個以上できれば、多胎妊娠の可能性があるため、妊娠を回避してもらうことをご了承ください。
人工授精は精子を子宮内に注入する治療方法です。妊娠する確率は1回の人工授精あたり5~8%程度です。
適応となる方は
タイミング法、排卵誘発と同様に排卵時期を予想し人工授精の日程を決めます。
人工授精当日:(全部で1時間30分から2時間程度かかります)
自宅ないしクリニック内で精液を採って頂きます。精液内から精子を抽出します。(約1時間程度かかります。この間、待合室でお待ちください)
精子の調整が終わりましたら、内診室で人工授精を行います。終了後、20~30分間程度休みます。
【費用】 10、000円(保険外診療、精子検査と薬剤費を含む)+消費税
不妊症検査をして、不妊症の原因を診断します。
原因ごとの治療はおおよそ下記のようになりますが、どのように進めるかはご夫婦と相談して決めていくことになります。
検査 | 治療方法 | |
---|---|---|
卵管因子 | 子宮卵管造影で卵管閉塞や卵管卵巣周囲癒着と診断された場合 | 手術(癒着剥離等)や 体外受精 |
男性因子 | 乏精子症や運動率低下と診断された場合 | ① 薬物療法 ② 人工授精 ③ 体外受精 |
子宮内膜症 | チョコレート嚢胞と診断された場合 | ① 手術 ② 体外受精 |
排卵障害 | ① 多嚢胞性卵巣症候群 ② 高プロラクチン血症 |
排卵誘発 |
原因不明 | 検査で異常が見られない場合 | ① タイミング ② 人工授精 ③ 体外受精 |
多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群(Polycystic Ovarian Syndrome: PCOSと略)は月経不順、不妊、肥満、多毛等を主な症状とする疾患です。
無月経となったり、月経不順になります。肥満や多毛は必ず見られる症状ではありません。
超音波検査や、排卵検査薬で排卵日を推定します。
超音波検査や、排卵検査薬で排卵日を推定します 精液内から精子を抽出し、その抽出液を子宮内に注入する治療法です。
当院でできる生殖補助技術は、体外受精胚移植、顕微授精、凍結胚移植です。
詳細は、外来で説明しています。
不育症とは妊娠22週未満の自然流産を連続して3回以上繰り返す習慣流産、2回自然流産を繰り返す反復流産、妊娠中期以降の早産や子宮内胎児死亡などを総称しています。
既往流産回数と次回妊娠成功率:
流産の多くの原因は胎児側にあるので、母体側の検査をしても、以上が出る可能性はそれほど高くはありません。
当院で行っている検査項目は下記のとおりです。
生殖補助医療は体外で配偶子(卵子や精子)、受精卵を扱い治療する不妊治療です。 体外受精-胚移植、顕微授精、胚凍結・融解胚移植のことを言います。
体外受精胚移植法とは卵子と精子を体外の培養液内で一緒にすることにより受精を行わせ、受精卵を子宮内に戻すことにより妊娠を期待する方法です。
体外受精胚移植法には主に4つの過程があります。
(1)妊娠率:年齢、原因、方法により異なります。
日本産科婦人科学会のホームページの「登録・調査小委員会ホームページ」→「データブック」→「ARTデータブック2016版」に詳細に記載されています。
たとえば、35才の人は総治療あたりの妊娠率は23%、総治療あたりの生産率は17%でした。
同様に40才では総治療あたりの妊娠率は13%、総治療あたりの生産率は8%でした。
(2)流産率:上記の全国統計によると、年齢ごとに異なりますが、約26%が流産であったと報告されています。
(3)胎児異常:体外受精での出生児で染色体異常および先天異常の発生率は自然妊娠と差は見られません。約1%と言われています。 ただ、児の長期予後(次世代、次々世代)については体外受精がまだ30数年の歴史しかないので、完全には判明していない点もあります。
(4)子宮外妊娠:子宮外妊娠(主に卵管)になる可能性が約1~2%あります。
排卵誘発剤を用いた卵巣刺激では複数の卵胞形成がみられます。卵巣過剰刺激症候群は多数の卵胞形成によって卵巣が腫れることによる腹痛や随伴して生じる腹水(お腹の中に貯まる水)によって腹部膨満感を生じます。症状は採卵後から一週間頃にピークとなり、月経が来ると速やかに改善します。妊娠した場合は体内から分泌されるホルモンにより症状が長引きます。
重症例では大量の腹水がたまったり、胸水(肺に水が貯まる)を生じたりします。このような場合、血液濃縮が起こり、血栓症を引き起こす可能性があります。
卵巣過剰刺激症候群を回避するために、多数の卵子が採取された場合、刺激した周期に移植せず、受精卵をすべて凍結して、次周期以降に移植します。
出血:
卵巣を穿刺するので、一過性に卵巣から出血が腹腔内にあります。ほとんどの場合が自然に止血します。
他臓器損傷:
多くの場合、卵巣は膣壁からすぐのところにあり、穿刺は容易ですが、稀に膣壁から遠いところにあり、
子宮や膀胱を貫いて穿刺しなければならない場合もあります。膀胱を貫いて穿刺した場合、血尿となります。
膀胱内カテーテルを留置して経過を見ます。ほとんどの場合は数時間で止血します。
感染:
採卵時の感染で腹膜炎や付属器炎(卵巣と卵管の炎症)を起こす可能性があります。
特に
子宮内膜症性卵巣嚢胞(チョコレート嚢胞)や皮様のう胞がある場合、それらの嚢胞に感染して入院や手術が必要になる場合があります。
多胎妊娠(双子や三つ子)は自然妊娠では約1%ですが、体外受精では移植する胚の個数によりますが、2個移植した場合、
約10%が多胎妊娠となります。現在、国内では体外受精の移植個数は1個移植が約60%になっています。
このような理由から多胎妊娠は極力避けたいと考え、
当院では移植する胚の個数は原則1個にしております。ただし、35才以上で、複数回不成功がある場合には2個移植することも考慮します。
(当院での典型的な例)
婦人科領域の悪性腫瘍には主に、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんがあります。 1次検査として、子宮頚部細胞診、子宮内膜細胞診、経腟超音波検査を行っております。
また、例年、6月から翌年2月まで、秋田市の子宮頸がん検診を行っています。
詳しくは下記の秋田市保健予防課のホームページを参照してください。
https://www.city.akita.lg.jp/kurashi/kenko/1005381/1006767/1005780.html
妊娠を希望している人で子宮筋腫を有する人はいます 多くは月経量が多いとか、月経痛が重いといった症状がない場合が多いです。 全ての子宮筋腫が妊娠を妨げているわけではないと考えられます。 子宮筋腫の大きさや存在部位(漿膜下筋腫なのか、粘膜下筋腫なのか)、不妊期間などにより、個別に対応しています。
子宮内膜症は月経痛、月経量の増加、慢性的な下腹部痛、性交時痛、排便痛などの症状があります。子宮内膜症は不妊の原因となります。
現在、妊娠の希望のない人は、①鎮痛剤 ②経口避妊薬や月経困難症改善薬 ③経口プロゲステロン製剤などを用い、症状を緩和します。
また、 妊娠を希望する人は月経痛や月経量の増加に対しては、鎮痛剤や、貧血になっているなら、鉄剤を処方します。
不妊症検査をした後、妊娠に至らなけれ、手術療法や体外受精を計画していくことなります。
卵巣チョコレートのう胞がある場合、卵巣がんが発症する可能性があるので、定期的に診察を受ける必要があります。
当院で検査、治療できる性感染症はクラミジア、淋菌、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、梅毒。
40歳後半から50歳代が更年期にあたり、この時期に現れる症状を更年期症状と言います。 卵巣機能が低下して生じる典型的な症状として、ホットフラッシュと呼ばれるのぼせ、ほてり、発汗があります。 精神症状としてイライラ、憂うつ、不安などがあります。また、頻度が多い更年期症状は肩こり、疲れ易い、頭痛、などです。
まずは話を聞いて、必要に応じて血液検査(FSH、E2,TSHなど)を行います。
治療するかどうかは、更年期症状が日常生活に悪影響・支障をきたしている場合、治療をします。
主にホルモン補充療法や漢方療法を行っています。
モナリザタッチは萎縮性膣炎に対するレーザー治療です。萎縮性膣炎は主に更年期以降の女性は女性ホルモンが低下するために、
外陰部や膣の皮膚、粘膜が薄くなる(萎縮する)ことで生じる疾患です。 症状は膣の乾燥感、かゆみ、においが気になる。
また、性交痛、尿もれ(腹圧性尿失禁)などです。
モナリザタッチは顔のリフトアップやたるみ改善に用いられるレーザー治療を外陰部や膣粘膜に用いる、近年、開発された治療方法です。
今までは、「年のせい」とあきらめていた方も、改善効果が期待できると思います。
治療は健康保険の対象ではないので、自費診療になります。
1回:15,000円(税別)。